マドプロ出願の日本語マーク:ロゴ商標としての審査注意点と虚偽表示の懸念に対する対応例がよく分かる商標出願を徹底解説

Trademark application navigating through a legal maze, with obstacles and a green checkmark symbolizing successful registration
今回の商標審査レビューでは、海外にも進出しているくら寿司による出願を取り上げてみました。マドプロで出願した日本語のマークでしたが、アメリカではロゴ商標扱いになるため注意する点があります。また、「無添加」という言葉の意味から、商標が虚偽にならないために様々な確認事項がありました。 実際の商売で使う名称は気に入ったものを使いたいと思う気持ちも十分理解できますが、「ありきたりな」名称のマークだと、商標出願しても権利化が難しく、今回のケースのように審査が長期化したり、商標を取得できても、出願時よりも権利範囲を狭めた内容で妥協しないといけないことも多々あります。よって、アメリカの現地代理人とともに事前に調査を行い、出願を予定しているマークと類似する商標を特定し、戦略的な商標出願をすることが重要になってきます。

目次

今回の商標審査レビューでは、海外にも進出しているくら寿司による出願を取り上げてみました。マドプロで出願した日本語のマークでしたが、アメリカではロゴ商標扱いになるため注意する点があります。また、「無添加」という言葉の意味から、商標が虚偽にならないために様々な確認事項がありました。

今回取り上げる商標出願

今回取り上げる商標は、『無添加工房』というマークです。

すでに権利化されており、出願から1年1ヶ月ほどで登録されています。これは、2024年4月時点における平均値である14.6ヶ月(最新のデータを確認)よりもすこし早いです。2回OAがありましたが、OA対応が早かったことが審査期間の短縮に貢献したのかもしれません。

また、今回の商標は商品とサービスの両方に対するものなので、モノを対象にしたという狭い定義における Trademarkとサービスを対象としたService Markの両方として機能しています。

商品・サービス情報

くら寿司はアメリカでも多くの都市で回転寿司を展開していますが、公式のアメリカウェブサイトを見た限りでは特に「無添加工房」というマークが使用されている形跡はありませんでした。

また、今回はマドリッドプロトコル(通称マドプロ)出願なので、アメリカにおける商標登録時に使用証明を出す必要がないので、実際にアメリカで使用しているか否かは現時点では確認できませんでした。

商標の詳細

それでは次に、商標の詳細を見ていきましょう。今回注目した『無添加工房』に関するTSDRの詳細情報はこちらからアクセスできます。

日本語表記のマークに関する特殊な記載

まずマークに関する情報ですが、「Standard Character Claim:No」と書かれていることから、文字商標ではありません。また、このマークに「文字」の要素はまったくなく、5つの日本語表記によって成り立っているという説明が書かれています。

また、「無添加」の英語の意味(Natural or additive-free)という部分は免責により権利放棄されているので、商標としての効果はありません。さらに、マークの日本語の意味も記載されています。マークは「無添加」と「工房」をかけ合わせた造語なので、それぞれの意味についての説明があります。また、商標の類似性を判断する要素として、マークの「音」も大事になってくるので、無添加工房の読み方も英語表記されています。

マドプロ出願に関する情報

今回の出願がマドプロ出願であることは以下の情報からわかります。

マドプロで出願を行うと、商標法第 66 条(a)(合衆国法律集第 15 編第 1141 条f(a))に基づき、 米国への登録延長請求(request for an extension of registration )を行うことができます。そこで、この該当するセクションから、米国特許商標庁(USPTO)は、この種の出願を「第66条(a)出願」と呼んでいます。

商品と役務の記載

前述しましたが、今回の商標は商品(Class 30)とサービス(Class 43)両方の区分を含みます。

区分についての詳細は、WIPOの公式ページで確認することができます。

また、両方ともベースが66(a) (e)と記載されているので、ここからもマドプロ出願であることがわかります。

審査履歴の解説

商標の詳細で注目する点が以上なので、次に実際の審査履歴を見てみましょう。

審査履歴の一覧

履歴を見ると、OAが2回あったことがわかります。

今回は、マドプロにおける出願内容とこの2つのOAを中心に解説していきます。

出願内容の詳細

では、まずは実際の出願における記載内容を確認していきましょう。

まず、今回はマドプロなので通常の商標出願ではなく、米国への保護延長請求(request for extension of protection)となっています。

そして、すでに話しましたが、マークは画像として取り扱われるので、文字商標ではありません。更に、読み方、マークの意味、そして、画像の形式などが記載されています。

日本からの出願

日本からのマドプロなので、当然日本の出願人です。

また、商品・役務の区分と記載を含むマドプロに関する情報が記載されています。

この時点でアメリカの代理人はいないので、日本の代理人の情報が記載されています。

1回目のOAの内容

次に1回目のOAを見てみましょう。

アメリカで出願されてから10日もかからずに最初のOAが発行されました。マドプロなので、通常のアメリカ出願とは比較できませんが、とても早いOAの発行です。

次に内容を見てみます。

マドプロ出願におけるOA対応の回答期限

OAでまず最初に確認しないといけないのが応答期間です。

"Deadline for responding. The USPTO must receive applicant's response within six months of the "date on which the notification was sent to WIPO (mailing date)" located on the WIPO cover letter, or the U.S. application will be abandoned."

この記述から、WIPO(世界知的所有権機関)への通知の発送日から6か月以内に、USPTOに対する応答を提出する必要があることがわかります。応答が期限内に提出されない場合、出願は放棄されることになります。

注意点:この時点でのOA対応期限は6ヶ月までです。しかし、2022年12月3日より多くのオフィスアクションに対する出願人の応答時間は6ヶ月から3ヶ月へと半減されました。OA対応をする際は、まずこの対応期限を確認し、どのくらいの時間的な猶予があるのかを把握してください。

参考記事:注意:USPTOが商標のOA対応期限を大幅縮小します(12月3日から)

さて、ここで重要になってくる「発送日」ですが、確認するには、USPTOのTrademark Status and Document Retrieval (TSDR)データベースにアクセスし、"US Serial, Registration, or Reference No. "を選択し、空欄のテキストボックスに米国出願のシリアル番号を入力し、"Documents "をクリックして、確認します。応答期限を計算するために使用される郵送日は、"IB-1rst Refusal Note "の "Create/Mail Date "です。

TSDRではOAの約1ヶ月後に「発送日」が示されている書類が発行され、6/25/2020と示されていました。

USPTOによる類似マークの検索結果

The trademark examining attorney searched the USPTO database of registered and pending marks and found no conflicting marks that would bar registration under Trademark Act Section 2(d). 15 U.S.C. §1052(d); TMEP §704.02.

この記述から、審査官は類似マークを見つけることはできなかったみたいです。

今回は日本語表記の特殊形式のマーク、いわゆるロゴマークなので、類似マークが出てこなかったのは納得いきます。

拒絶理由の要約

次にOAのサマリーを見てみましょう。

SUMMARY OF ISSUES:

  • Foreign applicant with foreign address – us counsel required 
  • Identification of goods and services is indefinite and overly broad
  • Description of mark required

今回は3つの問題が指摘されいて、1) 外国に住所を有する外国人出願人のため米国弁護士が必要なこと、2) 商品と役務の特定が不明確で広すぎること、3)商標の説明の必要性が示されています。

拒絶理由その1:米国弁護士の必要性

FOREIGN APPLICANT WITH FOREIGN ADDRESS 

Applicant must be represented by a U.S.-licensed attorney. An applicant whose domicile is located outside of the United States or its territories is foreign-domiciled and must be represented at the USPTO by an attorney who is an active member in good standing of the bar of the highest court of a U.S. state or territory. 37 C.F.R. §§2.11(a), 11.14; Requirement of U.S.-Licensed Attorney for Foreign-Domiciled Trademark Applicants & Registrants, Examination Guide 4-19, at I.A. (Rev. Sept. 2019). An individual applicant's domicile is the place a person resides and intends to be the person's principal home. 37 C.F.R. §2.2(o); Examination Guide 4-19, at I.A. A juristic entity's domicile is the principal place of business; i.e., headquarters, where a juristic entity applicant's senior executives or officers ordinarily direct and control the entity's activities. 37 C.F.R. §2.2(o); Examination Guide 4-19, at I.A. Because applicant is foreign-domiciled, applicant must appoint such a U.S.- licensed attorney qualified to practice under 37 C.F.R. §11.14 as its representative before the application may proceed to registration. 37 C.F.R. §2.11(a). See Hiring a U.S.-licensed trademark attorney for more information."

日本在住の外国人出願人は、USPTO に対して米国の弁護士を選任する必要があることが記されています。個人の場合は居住地が、法人の場合は主たる事業所が、出願人の居所(domicile)となります。出願人が外国に居所を有する場合、37 CFR §2.11(a) に基づき、USPTO に認められた資格を持つ米国の弁護士を選任し、登録する必要があります。

この現地弁護士の必要性はマドプロであっても変わりません。マドプロであっても、今回のようなOA対応はUSPTOで審査されるため、アメリカにおける現地代理人が必要になります。

関連情報:特許庁が外国からの商標出願にアメリカ弁護士の代理人を義務づける(2019年の記事)

拒絶理由その2:商品・サービスの特定が不明確かつ過度に広範

IDENTIFICATION OF GOODS AND SERVICES 

In a Trademark Act Section 66(a) application, classification of goods and/or services may not be changed from that assigned by the International Bureau of the World Intellectual Property Organization. 37 C.F.R. §2.85(d); TMEP §§1401.03(d), 1904.02(b). Additionally, classes may not be added or goods and/or services transferred from one class to another in a multiple-class Section 66(a) application. 37 C.F.R. §2.85(d); TMEP §1401.03(d).

The identification of goods and/or services is indefinite and must be clarified to further specify the nature, use, or subject matter of certain items, as set out in bold below. See 37 C.F.R. §2.32(a)(6); TMEP §§1402.01, 1402.03."

ここでは、出願に記載された商品・サービスの特定が不明確であるため、その性質、用途、対象事項をより具体的に特定する必要があることが示されています。

また、本出願が商標法第66条(a)項に基づくものであるため、商品・サービスの国際分類は、世界知的所有権機関 (WIPO) により指定されたものから変更することはできません。また、複数区分の出願の場合、区分の追加や商品・サービスの区分間移動もできません

この区分の変更不可と移動不可はマドプロ特有の制限です。例えば、アメリカを出願の基礎とした商標出願の場合、出願後に区分を追加し、そこに一部の商品の記載を移すこともできます。

次に、どの部分が不明確かつ過度に広範であるかを指摘しています。今回はconfectioneryとparenthesesに関する指摘がなされました。

特に"confectionery"については、国際分類上複数の区分に跨る可能性があるため(複数の区分をまたがるような表現は特定の区分に収まらないため不適切)、より具体的な表現に変更する必要が示されています。実際の例として、"Medicated confectionery"は国際分類第5類、"Confectionery made of sugar"は第30類に該当するなど、confectioneryという一般的な表現では不十分ということが指摘されています。

さらに、出願に括弧(parentheses)が使用されていますが、原則として商標の商品と役務の記載に関して、括弧の使用は避けるべきであるとされています。ただし、括弧内の情報が、直前の内容を説明・翻訳するものである場合は例外的に許容されます。そのため、括弧を削除し、括弧内の情報を商品・役務の記載に組み込むよう提案されています。

これらの指摘をした上で、審査官は不明瞭性を解消する具体的な提案として、

CLASS 030では"Confectionery {further indicate specific type/nature of goods i.e. Confectionery made of sugar}"、

CLASS 043では"Providing foods and beverages {further indicate specific type/nature of services i.e. providing of food and drink}"

といったように、商品・サービスの具体的な性質や用途を示すことを示唆しました。

拒絶理由その3:商標の説明の必要性

DESCRIPTION OF MARK REQUIRED

Applicant must submit a description of the mark. 37 C.F.R. §2.37; see TMEP §§808.01, 808.02. Applications for marks not in standard characters must include an accurate and concise description of the entire mark that identifies all the literal and design elements. See 37 C.F.R. §2.37; TMEP §§808 et seq. In this case, the drawing of the mark is not in standard characters."

ここでは、商標の説明を提出する必要があると指摘されています。

商標が標準文字ではない場合、商標の全体的な正確かつ簡潔な説明を提出する必要があります。この説明には、商標に含まれる文字要素と図形要素を全て特定する必要があります。

本出願は、日本語の文字をそのまま出願しているので、アメリカでは標準文字として取り扱われず、特殊形式、いわゆるロゴ商標として取り扱われます。そのため、商標の説明を提出する必要があります。

そして、USPTO の提案として、"The mark consists of five Asian characters."のような説明が示唆されました。

1回目のOA対応

約1ヶ月後に1回目のOA対応がありました。実質6ヶ月以上の猶予があったのにとても早いOA対応です。

その中身を見てみましょう。

前回のOAで指摘された部分を中心に、OA対応を見ていきます。

前回のOAので指摘された点は3つ: 1) 外国に住所を有する外国人出願人のため米国弁護士が必要なこと、2) 商品と役務の特定が不明確で広すぎること、3)商標の説明の必要性。

拒絶理由その1の対応:米国弁護士の指定

このように新規でWashington DCの事務所の弁護士が代理人となっています。日本人と思われるような弁護士も連名で記されています。

拒絶理由その2の対応:商品と役務の不明確性

Class 30に関しては、以上のように変更されていました。

これらの指摘をした上で、審査官は不明瞭性を解消する具体的な提案として、OAで審査官は"Confectionery {further indicate specific type/nature of goods i.e. Confectionery made of sugar}"という提案をしていたので、その提案を採用したことになります。

また、括弧の部分も審査官から「括弧を削除し、括弧内の情報を商品・役務の記載に組み込むよう」提案されていたので、その提案を採用した表現に訂正されていることがわかります。

Class 43に関しては、以上のように変更されました。

審査官は、"Providing foods and beverages {further indicate specific type/nature of services i.e. providing of food and drink}"とすることを提案していたので、その提案を採用した形になります。

拒絶理由その3の対応:商標の説明

商標の説明に関しては、上記のような情報が追加されました。

審査官は、"The mark consists of five Asian characters."という説明を示唆していたので、ほぼ審査官の提案を採用したということになります。

追加情報

商標出願がWIPOからUSPTOに移行された際に、その住所が正しく表示されていなかったようです。そこで、ここで正しい住所を示し、適切な部署に問い合わせ、住所の訂正をおこなった旨が書かれています。

しかし、改めて審査履歴を確認したのですが、特に、住所が間違って表示されていたという事実は確認できませんでした。破損(corrupted)という表現なので、人的なエラーではなく、技術的な問題で、審査履歴には反映されていなかったのかもしれません。

全体的に見て、前回のOAで指摘された点についてはすべて対応していることがわかります。

2回目のOA

次に2回目のOAを見てみましょう。

2回目のOAは1回目のOA対応から1ヶ月弱で発行されました。

次に内容を見てみます。

OAでまず最初に確認しないといけないのが、応答期間です

締め切りと期限日の算出

Applicant must respond to all issues raised in this Office action and the previous May 23, 2020 Office action, within six (6) months of the date of issuance of this Office action. 37 C.F.R. §2.62(a); see TMEP §711.02. If applicant does not respond within this time limit, the application will be abandoned. 37 C.F.R. §2.65(a)."

この通り、本拒絶理由通知の発行日から6ヶ月以内に出願人は回答をしなければなりません。発行日が2020年8月18日なので、回答期限は2021年2月18日までとなります。期限を過ぎた場合、出願は放棄されることになります。

審査官のミスと追加のOA

The assigned trademark examining attorney inadvertently omitted a refusal of registration and requirement relevant to the mark in the subject application. See TMEP §§706, 711.02. Specifically, a disclaimer is required, the identification of goods and service must be further clarified and request for information is required.

The trademark examining attorney apologizes for any inconvenience caused by the delay in raising this issue(s).

以前のOAで審査官は、本出願の商標に関連する登録拒絶および要件をミスで省略していたことが知らされました。具体的には、免責事項の記載が必要であり、商品およびサービスの識別をさらに明確にする必要があり、情報請求が必要であるとのことです。

本来は、1回目のOAで指摘するべきだったものなので、商標審査官は、この問題提起の遅れを釈明しています。

拒絶理由の要約

The following is a SUMMARY OF ISSUES that applicant must address:

  • NEW ISSUE: Disclaimer required
  • NEW ISSUE/continued and maintained: Identification of goods/services must be clarified
  • NEW ISSUE: Significance of mark/request for information required

すでに審査官のミスと追加のOAの部分で開示がありましたが、今回のOAでは、以下の3点が指摘されています: 1)免責の提出、2) 商品/サービスの明確化、3) 商標の意味の説明と情報提供

以下、各指摘事項について詳しく解説します。

拒絶理由その1:免責

DISCLAIMER REQUIRED – new issue

Applicant must disclaimed the English translation of the non-Latin characters in the mark, specifically "natural or additive free" because it is merely descriptive of an ingredient, quality, characteristic, function, feature, purpose, or use of applicant's goods and/or services. See 15 U.S.C. §1052(e)(1); DuoProSS Meditech Corp. v. Inviro Med. Devices, Ltd., 695 F.3d 1247, 1251, 103 USPQ2d 1753, 1755 (Fed. Cir. 2012); TMEP §§1213, 1213.03(a)."

商標中の非ラテン文字"MUTENKA"の英語翻訳である"natural or additive free"は、商品/サービスの原料、品質、特性、機能、特徴、目的、用途を単に説明するだけの記述的な表現であるため、これについて免責を提出する必要がある、と指摘されています。

OAでは様々なウェブサイトを通して、問題となっている文言の英訳は、同様の商品および/またはサービスに関連して、食品が人工的なものではなく、化学添加物を含まないことを意味するものとして一般的に使用されていることが示されています。

免責が実際におこなわれると、その部分に関する商標としての識別力は無視され、他の免責されていない要素のみが商標としての効力を持つようになります。

そして、実際に免責に同意するのであれば、以下のような文面を提出するように求めています。

No claim is made to the exclusive right to use the non-Latin characters that transliterate to “MUTENKA” apart from the mark as shown.

拒絶理由その2:商品/サービスの明確化

ここでは不明確な表現と、無添加という表現と商品・役務の記載という2つの問題について話されています。

IDENTIFICATION OF GOODS AND SERVICES – new issue/continued and maintained

The wording "Providing foods and beverages providing of food and drink;" in the identification of services is indefinite and must be clarified because the nature of the services are unclear. See 37 C.F.R. §2.32(a)(6); TMEP §1402.01.

1つ目は、サービス(役務)の説明で補正された"Providing foods and beverages providing of food and drink;"という表現が曖昧であり、サービスの内容が明確でないため、識別の明確化が必要と指摘しています。

次に、無添加についての拒絶です。

Also, applicant's mark consists of the wording "MUTENKA", which indicates that applicant's goods and/or services have and/or exhibit, (or will have and/or will exhibit) the following feature or characteristic: all natural and/or additive free.

さらに、商標中の"MUTENKA"という文字から、出願人の商品/サービスは無添加、もしくは、天然という特徴を持っていることが示唆されると指摘しています。

However, if some or all of the goods and/or services do not (or will not) in fact have or exhibit this feature or characteristic, then registration may be refused because the mark consists of or includes deceptive matter in relation to the identified goods and/or services. See 15 U.S.C. §1052(a); In re Budge Mfg. Co., 857 F.2d 773, 8 USPQ2d 1259 (Fed. Cir. 1988); TMEP §1203.02-.02(b)."

しかし、一部または全ての商品/サービスがこの特徴を持っていない場合、商標が商品/サービスについて誤解を招く虚偽の表示を含むと判断されるため、登録が拒絶される可能性がある、と指摘されています。

Therefore, applicant may amend the identification to the following in bold, if accurate: 

Class 30

"Mayonnaise; salad dressings; vinegar; soy sauce; sauces for barbecued meat; soya bean paste; confectionery made of sugar; cereal-based snack food; rice-based snack food; bread and buns; sandwiches; hamburgers; pizzas; tea; spaghetti; uncooked udon noodles; instant noodles; oatmeal; pasta sauce, all the aforementioned containing natural and additive-free ingredients"

Class 43

" Providing of food and drink; cafeteria, restaurant and bar services; providing temporary accommodation, all the aforementioned providing food and drinking containing natural and additive-free ingredients"

この2つの不明確と指摘された点を解消する補正提案として、以上のような商品と役務の概要の修正がされており、すべての商品/サービスが無添加・天然の原料を使用していることを明示することが提案されました。

拒絶理由その3:商標の意味の説明と情報提供

EXPLANATION OF MARK’S SIGNIFICANCE REQUIRED – new issue

To permit proper examination of the application, applicant must provide the following information:

(1) Explain whether the wording “MUTENKA” in the mark has any meaning or significance in the industry in which the goods and/or services are manufactured/provided, any meaning or significance as applied to applicant’s goods and/or services, or if such wording is a term of art within applicant’s industry.

(2) Respond to the following questions:

Does the food provided by applicant contain natural ingredients? Does the food provided by applicant contain additive free ingredients?

最後に出願人に情報提供を求めています。

1)商標に含まれる「MUTENKA」という語句が、商品やサービスが製造・提供される業界内で、または出願者の商品やサービスに適用された場合に、どのような意味または重要性を持つのか、またはその業界内で専門用語であるかどうかという説明を求めています

2)更に、追加として、

出願者によって提供される食品には天然成分が含まれていますか?

出願者によって提供される食品は添加物不使用なのか?

が問われています。

これらは上記2)における商標による虚偽表示に関連していて、商標が虚偽表示を含んでいないことを確認するためのものです。

2回目のOA対応

約1ヶ月後に2回目のOA対応がありました。

その中身を見てみましょう。

前回のOAで指摘された部分を中心に、OA対応を見ていきます。

前回のOAので指摘された点は3つ:1)免責の提出、2) 商品/サービスの明確化、3) 商標の意味の説明と情報提供

拒絶理由その1の対応:免責の提出

まずは免責です。

審査官が提案した免責文がそのまま使われています。

No claim is made to the exclusive right to use the non-Latin characters that transliterate to “MUTENKA” apart from the mark as shown.

この免責により、その部分に関する商標としての識別力は無視され、他の免責されていない要素のみが商標としての効力を持つようになります。

拒絶理由その2の対応:商品/サービスの明確化

Class 30に関しては、以上のように変更されていました。

この変更は無添加であるという点から審査官が前回のOAで提案した変更をそのまま用いています。

Class 43に関しても、変更が加えられていて、同様に審査官が前回のOAで提案した変更をそのまま用いています。

拒絶理由その3の対応:商標の意味の説明と情報提供

このセクションでは、出願者がUSPTOからの要求に対して提供した情報を説明しています。特に、「MUTENKA」という語句の商標としての意義や、出願者の商品やサービスにおけるその用語の意味について説明しています。

1. 「MUTENKA」が持つ意味や業界内での重要性についての説明:

   - 出願者は、「MUTENKA」という語句が、商品やサービスが製造・提供される業界内で、また出願者の商品やサービスにおいて、「天然または添加物不使用」という意味または重要性を持つ以外に、特別な意味や重要性を持たないことを明らかにしています。また、この語句は業界内で特有の用語(専門用語)として使用されているわけではなく、「天然または添加物不使用」という意味しか持たないことを説明しています。

2. 出願者によって提供される食品に関する質問への回答:

   - 出願者は、提供する食品に天然成分が含まれていること、およびこれらの食品が添加物を含まない成分であることに「はい」と答えています。

この応答は、出願者が提供する商品やサービスが「天然成分のみを使用し、添加物を使用していない」という特性を持っていることを強調しています。また、商標「MUTENKA」がこれらの特性を直接表していることを示しており、商標としての役割や業界内での位置付けについての追加の説明を提供しています。

全体を見ると、OAで指摘されていたすべての点について対応がなされていることがわかります。

審査官補正と電話での確認

2回目のOA対応の後、約2ヶ月弱で審査官による補正とその確認を取る電話会議がありました。

内容としてはマークの読み方と意味を記載するものでした。

公開とその後の登録

無事公開された後、登録証明書が発行されました。なお、今回はマドプロ経由による商標登録なので、この時点での使用証明は必要ありません。

審査履歴の書類へのアクセス

今回検証した「無添加工房」商標の審査履歴に関するPDFの書類はここからアクセスできます。

まとめ

マドプロ経由の出願で2回もOAがありましたが、OA対応も早かったこともあり、早期に権利化できたと思います。

また、日本語がロゴとして取り扱われるため、多くのOAでの問題点が日本語に関する事柄で、特に、「無添加」ということから、商標が虚偽の表示(無添加でないのに無添加と語る)ようなことがないように確認が取られていました。

全体的に、対応がスムーズでとてもいい権利化プロセスだったと思います。